新築or中古? アパートorマンションor戸建て?消防士の不動産投資に最適な物件は?

一口に「不動産投資」といっても、新築物件と中古物件とがあります。また、アパートやマンション、戸建てなど、建物の種類も様々です。

本記事では、それぞれの特徴を確認し、消防士にとって最適な不動産投資の形について考えてみます。

中古物件のメリット・デメリット

不動産投資ではまず、中古物件と新築物件のどちらに投資するか考える必要があります。最初に、中古物件を購入するメリット・デメリットについて見ていきましょう。

▼中古物件のメリット

中古物件のメリットは、何といっても価格が安いことです。すなわち、中古物件は新築物件に比べて安く購入できるため、初期投資を抑えることができる=高い利回りを期待できるということになります。

もちろん、中古物件では家賃も低めに設定する必要はありますが、物件の販売価格が下がるほど、家賃の割合を引き下げなくてもたいていは入居者が決まるため、相対的に高い利回りを期待できるのです。

また、中古物件は過去の家賃や入居率(空室率)などの記録が分かるため、投資しようとしている物件が人気の具合などもある程度判断することができます。

さらに、中古物件は管理状態についても確認しやすいというメリットがあります。ゴミ捨て場が汚れていないか、ポストの周りが散らかっていないか、夜間に騒ぐ迷惑な住民がいないかなど、管理の状態をあらかじめチェックして、購入する際の判断に役立てることができます。

▼中古物件のデメリット

中古物件は計算上の利回りが高めになるとはいえ、肝心の入居者が見つからなければまったく意味がありません。入居してもらうには、建物がきちんとメンテナンスされていることが肝心です。

すると、築年数にもよりますが、購入費用のほかに修繕費用が発生する場合が多くなります。アパートでもマンションでも、新築からだいたい15年程度経過した物件は、どこかしら傷んでいることが多いため、修繕や部品の交換などが発生することが普通です。

アパートの外壁や屋根の傷み、室内のエアコンや給湯器の不具合などに手入れをする場合、購入者が費用を負担する必要があります。

また、中古物件は金融機関からの評価額が低く、評価額は金融機関によって異なりますが、中には融資をしてくれない金融機関も存在します。借りられたとしても頭金を多く求められる(ローンで支払える割合が少ない)ことが普通です。資金計画やキャッシュフローが厳し目になることも、中古物件のデメリットだといえます。

さらに、中古物件の良し悪しを判断して、優良物件を選び出すことは素人には難しく、そうとは知らずに条件が悪い物件を買わされてしまうリスクもあります。

新築物件のメリット・デメリット

次に、新築物件を購入するメリットとデメリットについて見ていきましょう。新築物件は入居率や家賃などにおいて利点がありますが、費用面で気を付けるべき点もあります。

▼新築物件のメリット

新築物件のメリットの1つ目は、当初の入居率が高いことにあります。物件を探している人の多くは築年数が若い物件を探しており、新築物件はしばらくの間は、入居者の募集に困る可能性は低くなります。

また、新築物件は不動産業界では「新築プレミアム」と呼ばれる、新築時のみ可能な高値部分を上乗せした家賃を設定することができます。

さらに、中古で買った物件と新築で買った物件を比較すれば、通常は後者の方が中古物件市場で売却する際に高価となるので、いざというときも不動産を現金化しやすいという点もあります。

もう1つ、銀行の評価が高く、物件価格に対して高い融資割合で(頭金が少ない)ローンを組みやすい点もメリットです。

▼新築物件のデメリット

新築物件の唯一のデメリットは、物件自体の価格が高いため初期投資額が大きく、利回りが低くなってしまうことです。高い利回りを得たい場合や、毎月のローン返済額を低く抑えたい場合は投資に慎重になる必要があります。

アパート、マンション、戸建てのどれを買うべきか

次に、アパート、マンション、戸建てそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

▼アパートは低価格だが立地やメンテナンスなどでデメリットも

アパート(木造アパート)は、物件の価格が安いために初期投資が低く、利回りが高めになるというメリットがあります。また、アパートは一般的に四戸から十数戸で成り立っているため、一部屋が空室になっても収入がゼロになることはありません。

一方で、アパートは好立地にはあまり存在しないため、東京23区で駅近く物件を探すのは困難です。また、防音性の低さや耐震性・耐久性への不安、メンテナンスの必要性など、長く物件を保有すると様々なリスクが発生することも覚悟しなければなりません。

▼マンションは知識や手間がかからない新築を選ぶ

マンションのメリットは、建物自体の堅牢性です。防音性や耐震性の高さ、充実した設備などもあるため、入居者が見つかりやすいことが挙げられます。マンションはアパートに比べて内部が充実していることが多いため、比較的入居希望者を見つけやすいでしょう。

また、マンションは家賃相場が高いことも魅力です。東京都でいうと、台東区や板橋区にある築35年前後のマンションであっても、相場は6万〜7万円前後であり、同条件のアパートよりも約1万5,000円程度高くなっています。

一方で、マンションは一棟あたりの価格が高く、東京23区周辺であれば1億円前後、新築ならばそれ以上も珍しくありません。そのため、購入には覚悟も必要です。

しかし、マンションは立地が良ければ空室率は低く、適切にリフォームをすれば、アパートよりも長期間入居率を維持することも可能です。

最初に手に入れる物件としては、専門知識や手間がかからない新築マンションを選ぶのが得策といえます。

▼戸建てへの投資は管理に手間がかかる

戸建て投資は、駅から多少遠くても需要があるなど、立地の影響が比較的少なく、ファミリーが前提になるので一度入居してもらえれば、長期間退去となりにくいことがメリットとして挙げられます。

しかし、戸建ては土地部分も含めて管理しなければならず、上下水道などの管理も必要です。また、立地条件などのほかに戸建ての魅力や特徴など個別の条件に大きく左右されるため、物件選びが難しく、時間が限られ、不動産投資経験の少ない消防士が投資するにはあまり向いていないでしょう。

はじめての投資は仕事との両立を考えて

消防士の不動産投資はあくまで本業のかたわらで行うものです。そのため、日々の管理や維持・修繕に手間や時間がかかるものは選んではいけません。

投資初心者であれば、まずは比較的手間がかからず、専門的な知識がそれほど必要ない新築マンションの投資などから始めてみるのがおすすめです。