収入は高いものの、日々の忙しさや危険な仕事へのストレス発散のために、支出も多い傾向にある消防士。
しかし、そんな中でも「お金が貯まる人」と「貯まらない人」の差はあり、長い目で見ると将来の生活に大きな差が生じてきます。
そこで今回は、お金が貯まる人と貯まらない人の違いを比べながら、お金が貯まる具体的な行動について解説していきます。
お金が貯まりやすい人の特徴とは?
最初に、お金が「貯まる人」と「貯まらない人」の特徴を、まとめて比べてみましょう。
お金が貯まる人 | お金が貯まらない人 | |
収支の把握 | 家計簿アプリに記録 | 口座残高をたまに確認 |
住居 | 無理のない返済計画に合わせた住居を購入 | ローンを組める上限額の住居を購入 |
光熱費 | ポイントが貯まる会社にガス・電気をまとめている | 大手ガス・電力会社と契約 |
通信費 | 格安SIM | 大手キャリア |
保険 | 万一の大きな損失に備える生命保険・火災保険にのみ加入 | 生命保険・火災保険・自動車保険以外にも、付き合いで学資保険・医療保険・養老保険など多数加入 |
自動車 | 保有しない | 保有している |
同僚との付き合い | 飲み会などは、選んで参加 | 誘われると必ず参加 |
投資 | 天引きで長期積み立て投資 | しない(全額貯金) |
確定申告 | 控除できる項目があればする | よく分からないのでしない |
お金が貯まるようになる具体的方法7選
「お金が貯まる人」と聞くと、いつもケチケチして、なんの楽しみもなく暮らしている、といった姿を想像するかも知れません。しかし決してそんな訳ではありません。
まずは、自分の収入と支出をしっかり把握した上で、収入の範囲内で無駄な固定費や浪費的な支出は削減して、投資や趣味などのお金をうまく作り出しているのが貯まる人の特徴です。
1 まずは収支を把握する
「貯まらない人」の特徴は、そもそも自分にどれだけの収入があり、毎月の固定的な支出がどれくらいあるのかという、家計の基礎的な収支を把握していないことです。
それを知らなければ、月々の家計にどれくらいの余裕があり、どれくらい貯めることができるのかも分からないでしょう。
家計簿をつけるのは手間がかかるイメージがありますが、いまは「マネーフォワードME」や「Zaim」など、スマホで使える無料の家計簿アプリがあります。給与の振り込み口座やクレジットカードと連携させれば、自動でその明細を集計して、家賃、光熱費などに分類してくれます。
また、現金で買い物をしたときは、レシートをスマホのカメラでスキャンすればその内容を読み取ってくれる機能もあるので、かなり手間が省けます。
家計の把握を続けるコツは、完璧を目指さないことです。最初はおおざっぱに「固定収入」「固定支出」「だいたいの食費」などを把握するだけでも十分でしょう。
よく分からない支出や忘れてしまった支出などは、「雑費」や「不明」などとしてまとめておけばいいのです。
2 支出は、「固定費から」「大きいものから」見直す
家計の把握ができたら、次に余裕資金を増やしていくことを考えます。
赤字(収入よりも支出が多い)の人はもちろん、黒字になっている人でも、支出を減らせばその分「貯める」お金を作ることができます。
支出の見直しのポイントは「固定費から見直す」「大きなものから見直す」という点です。
固定費とは家賃や光熱費、保険代のように、毎月必ず出ていく支出です。これらは、一度見直せばその効果がずっと続くので、長い目で見たときの影響が大きくなります。
また、支出額が大きいものを見直した方が、支出削減効果が大きくなります。例えば、1人暮らしで月7万円の家賃だとしたら、これを6万円に減らせば毎月1万円、年間で12万円の支出減です。しかし、月2,000円のスマホ代を1,500円にしても、月500円で年間6,000円しか変わりませんので、後回しでいいということです。
3 保険は必要なものだけに絞る
消防士は保険の営業担当との付き合いも何かと多く、不要な保険に入りがちです。
保険とは本来、「確率は低いものの、発生してしまった場合の損失を自らの貯金では賄いきれないもの」に対して備えるものです。
死亡時に家族の支えとなる生命保険や、持ち家が被害にあった場合に備える火災保険、対人対物に損害を与えてしまった場合に無制限の保証がつく自動車保険などは、「損失が大きく貯金では対応できないリスク」に備えるため必須の保険だといえますが、それ以外は、医療費などを含め、公的な保障と、生活費6カ月分程度の貯金があれば対応できることがほとんどです。
保険は固定費で、しかも比較的支出額としても大きなものになります。不要な保険は思い切って解約しましょう。
4 休日の過ごし方にはルールを設ける
現場で働く消防士の多くは非番が不規則で、休日には同僚と遊びに行くことが多くなります。
ゴルフや釣り、パチンコ、競馬などは、休日の過ごし方の代表ですが、毎回みんなとこれらのレジャーに出かけていると、それなりにお金を浪費します。もちろん、同僚との付き合いも大切なので、まったく行かないというのも難しいでしょう。例えば、いままでは誘われればすべて参加していたものを、2回に1回にする、参加した場合でも、1回の支出金額を決めるなど、自分の中で「ルール」を作って、その範囲内で参加することが大切です。
良くないのは、「付き合いだから」となんの考えもなしに、無制限に参加してお金を使ってしまうことなのです。
将来を見据えて、自らをコントロールできるルールを定めましょう。
5 「天引き」で貯蓄を「仕組み化」する
お金が貯まらない考え方の代表が「お金が余ったら、その分だけ貯金をする」というものです。
それに対して、お金が貯まる人は「天引き」での積立貯蓄をします。例えば、毎月の給料が25日に振り込まれるのであれば、25日に、1万円などが自動引き落としで積み立てられる貯金をするのです。
そして、最初から、1万円マイナスにされた金額を収入金額だと考えて、その範囲内で支出をします。人間は安易な方向に流されやすいので、余ったら貯蓄をしようという考え方だと、どうしても使ってしまうことになりがちです。
そこで、貯蓄を「仕組み化」するための天引きによる自動積立貯蓄をおすすめします。
6 国が用意している有利な制度を使って投資をする
投資と聞くと、「難しい」「怖い」というイメージを持たれている人もいるかもしれません。しかし、長期間にわたって少しずつ積立をしていく投資方法なら、リスクを最小限にしながら投資成果を得ることができます。積立貯蓄で、貯めることに慣れたら、次のステップとして、積立投資にチャレンジしてみるといいでしょう。貯蓄は「貯める」ことはできますが、長く続く低金利時代のため「増やす」ことはほとんどできません。増やすには、どうしても投資の力を借りることが必要になります。
その際に、現在は、つみたてNISAやiDeCoなどの、税制面で有利になる投資制度を国が用意してくれています。(正確にいえば、iDeCoは、投資を利用した年金制度です)。
これらの制度を利用すれば、より有利に増やすことができます。
7 確定申告で節税になる制度は積極的に使う
「ふるさと納税」は聞いたことのある人も多いでしょう。これは厳密にいうと節税ではありませんが、支払った税金の分が、返礼品としてモノが返ってくる制度です。
また、医療費を多く支払った際には、医療費控除、寄付をした場合には寄付金控除など、確定申告をすることで、税金を減らせる控除制度もあります。
これらの制度は、資料を準備して確定申告をするといった手間がかかるので、「そういう制度があることは知っているけど面倒だからやらない」という人もいるでしょう。
しかし、それを使うと使わないとでは、簡単に数万円の差が生じます。そういった制度は、しっかり利用することも「貯まる人」の特徴です。
まとめ
消防士は地方公務員の中では給与が高い傾向にあるものの、年々減少傾向にあることから将来を見据えた資産形成は重要です。
思ったよりも貯金できないという人は、まず、家計簿アプリで収支を把握して、無駄をチェックするところからスタートしてみましょう。