40代・50代の先輩消防士のお財布事情

消防士は同世代のほかの職種に比べて平均年収が高く、退職金等も手厚い職業です。その反面、過剰な保険に加入するケースが多く、何かと支出が多い傾向にあります。

今回は、40代・50代の消防士の生活事情やお財布事情を確認するとともに、投資の必要性について考えてみましょう。

平均年収が高い消防士

「地方公務員給与実態調査の概要」(総務省)によると、2019年度における全国の消防士の平均年収は641.1万円となっています。自治体によって差がありますので、勤務地によって若干変化するものの、平均的な民間企業の年収よりもかなり高い水準です。

とくに地方の地場中小企業に勤める同世代と比べると、200万円程度の差があることが多いでしょう。

また、消防士は地方公務員の中でも給与が高いことが特徴です。その理由は、消防士は危険で不規則な仕事になることが多い職場であるため、「危険作業手当」をはじめ、通常の給与に上乗せされる各種手当てが厚く用意されているためです。

40代、50代のお財布事情

公益財団法人生命保険文化センターがまとめたデータによると、40代・50代はほかの世代に比べて教育費の支出が多くなっていることが分かります。とくに子どもが私立大学に入学したり、留学したりする場合は大きな支出を強いられることになります。

また、同調査では、40代・50代が若い世代に比べて教養・娯楽に多くのお金を使っていることが明らかになっています。消防士は年功序列の傾向が強く、年齢を重ねるとともに年収も上がっていきます。そのため、消防士も年齢と共に教養や娯楽に費やす支出も大きくなると考えられます。

消防士は、生命保険に必要以上のお金を支払っている場合も

消防士はほかの職業の人よりも、貯蓄が少ない方も見受けられます。その理由の一つが、過剰な生命保険契約です。消防士は、危険を伴う職業ということもあり、職場の営業から契約を迫られ付き合いで契約をするうちに、必要以上の契約をしてしまっている場合がよくあるのです。

自分の生命保険料が払い過ぎかどうかは、同じ年代や年収の平均と比べてみると分かります。

公益財団法人 生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、各年代の生命保険の年間払込保険料は、40~44歳で34.5万円、45~49歳で42.7万円、50~54歳で48.3万円、55~59歳で45.3万円となっており、50代前半がとくに大きな支出となっています。

また、世帯年収別に年間平均払込保険料を見ると、400~500万円未満で36.9万円、500~600万円未満で34.6万円、600~700万円で38.0万円、700~1000万円未満で42.9万円となります。

前述した通り、全国の消防士の平均年収は641.1万円となっています。このことから、40代前半で年収が640万円程度の平均的な消防士が40万円~50万円以上の保険料を支払っているなら、保険に加入しすぎている可能性があります。

過去よりも年金の受給額は減少することが予測される

公務員の共済年金が厚生年金に統合され、一本化されたことにより、現在40歳前後以下の世代の公務員が将来受け取る年金支給額は、過去の年金支給世代よりも大きく減少することが予想されます。そのため、豊かな老後生活を送るには、今から計画的な貯蓄をする必要があるでしょう。

老後の生活費は年金受給だけでは足りず、平均的な生活で約2,000万円、ゆとりある生活であれば5,400万円程度不足するといわれています。ところが、20代・30代の若いうちは「老後の生活」と聞いても遠い将来のことのように感じられて、なかなかその備えをしようとは思えないことがあります。

しかし、老後が実感として迫ってくる、40代・50代から準備を始めようとしても、教育費などの支出が増え、思ったほど老後資金を貯められない可能性が高くなります。

早期から投資にお金を振り向けることも1つの方法

そこで、20代・30代のうちから少額で始められる投資に取り組み、老後資金の準備をしておくことも1つの方法でしょう。そのとき、有力な選択肢となるのが不動産投資です。

消防士は雇用や経済状況が安定しているため、同世代の同じ年収帯の人たちよりも有利な条件で融資を受けられます。30歳前後の消防士であれば、都内の需要が多いエリアで、2,500万円程度のワンルームマンションを2戸買うことも可能でしょう。

マンションは不動産の中でも、日常的な修繕の必要なども比較的少ないため、管理の手間があまりかからないということが、忙しい消防士にとっては大きなメリットです。

家賃収入から融資を返済していき、余る分は貯蓄しておけば、それを40代50代になってから発生する大きな支出となる教育費などにに充てることもできます。また、60歳~65歳の定年退職時に、保有物件を売却すすれば、買った値段より下がっているとしても、それなりにまとまった金額の収入を手にすることができます。

40代・50代になってから、老後資金を意識して慌てないために、若いうちからの投資を検討してみてはいかがでしょうか。