消防士こそ「お金に働いてもらう」ことを考えた方がいいワケ

消防士や公務員は「つぶしがきかない」と言われ、一度退職すると転職の成功率は低いという現実があります。

では、消防士はケガやメンタルの不調などの退職リスクにどう対処すればいいのでしょうか。今回は、退職リスクへの備えとして資産形成を行う必要性について解説します。

消防士は退職リスクが高い

消防士はほかの公務員に比べて退職リスクが高いと考えられます。ここでは、退職の引き金になりやすいケガや精神的ショック、職場の人間関係などについて考えます。

▼ケガや精神的ショックが原因で退職に追い込まれてしまう

消防士がほかの公務員に比べて退職リスクが高い理由は、主にケガや精神的ショックを受けるリスク高いことが挙げられます。

消防士が危険な仕事であることは言うまでもありません。燃え盛る建物の中に入り、消火活動や人命救助をしなければならない消防士は、多くのリスクを抱えています。

また、ケガのリスクは火災現場だけではなく、日頃の訓練でも発生します。高所に登って救助の訓練を行う際などは、大きなケガを負うリスクも付きまとってきます。

さらに、これらの危険な体験をした場合、精神的ショックから退職をしてしまうケースも考えられます。たとえ安定した公務員という立場であっても、心身が不健康な状態では仕事を続けるのは難しいでしょう。

▼職場の人間関係で退職を決断する人も

もう1つの退職リスクは、職場の人間関係にあります。

多くの仕事と同じく、消防士も人事異動を伴います。たとえ消防士になりたての頃は上手くいっていたとしても、部署や上司が変わった際にウマがあわず、職場にいづらくなり退職してしまう消防士もいるのです。

とくに、上司は自分で選ぶことができないため、相性が合わなければ数年間苦しい思いをすることもあります。良い上司に巡り合えるかどうかは運に任せるしかないのです。人間関係は将来の予測がしにくい厄介なリスクです。

消防士は「つぶしがきかない」職業

消防士は社会に貢献する仕事であることは間違いありませんが、退職後、民間に転職する際にはあまり効果的なアピールができない職業とも言えます。

一般的な企業では「公務員はつぶしがきかない」と考えていることが多いためです。

例えば、「指示がないと動けない」「営業経験がない」「ITに弱い」「利益優先を理解していない」のような先入観があるでしょう。

実際に、役所の窓口でたらい回しにされたり、粗雑な対応をされたりした経験がある人は多いはずです。多くの人はこのような経験から、公務員のビジネスへの無理解を想起してしまうのかも知れません。

とくに30代以上になってからの転職は、ある程度の苦労を覚悟しておくべきでしょう。

社会だけでなく自分と家族も守るためには

前述のような退職リスクを考え、消防士はいざというときのために対策しておく必要があります。

公務員の多くは退職まで同じ組織で働き続けるため、周囲にはキャリアプランをまったく考えない人もいるでしょう。

しかし、自分がいつ退職に追い込まれるかは誰も分かりません。いざ退職する際に何も準備していなければ、転職活動やその後の生活は悲惨なものになってしまう可能性が高まります。

様々なリスクにさらされる中で自分や家族を守るためには、将来に残せるお金を用意しておく必要があります。

子どもの教育費や高齢になった親の介護など、ライフステージに合わせて必要なお金はある程度見定めることができます。退職や休職、配偶者の転職など家庭に大きな変化が起こった際も、お金を用意できていれば焦る必要はないのです。

将来のリスクに備えるにはどんな対策が必要か

消防士が直面する様々なリスクに対応するには、これまでのように貯蓄だけを続けていくことは必ずしも最善とは言えません。では、将来のリスクに備えるためにはどのような対策を立てるべきなのでしょうか。

▼公務員としての将来年収はほぼ決まっている

消防士は公務員の中では比較的収入が高い職業ですが、将来にわたって得られる年収は限られています。そのため、いざというときに使えるお金も限られていると言えます。

また、公務員は基本的に年功序列となっており、役職がないうちは民間よりも給与が低いケースもあります。そのため、20〜30代のうちはそれほど大きな資金を用意できないかも知れません。

つまり、退職リスクや教育、介護などの突発的な費用に対処するためには、消防士としての労働所得だけに頼るのは限界があるということができるのです。

▼金融リテラシーを身に付け不労所得を得よう

そこで消防士に必要な能力が、金融リテラシーです。給与や退職金、年金が目減りし、将来にわたって得られる金額が目減りする中では、自分が働くだけでなく、「お金に働いてもらう」ことが必要なのです。

不労所得があれば、経済的な自由度が高まるため、これまで気にしていた昇任や昇給などの悩みから解放されます。また、ある程度不労所得を得られる仕組みを構築してしまえば、早期退職や希望の職種への転職など、思い切ったキャリアチェンジも実現できます。

多くの公務員は「つぶしがきかない」と言われているにも関わらず、労働所得だけに頼っています。第二の収入源を得ることができれば、それだけ人生における選択肢も増えると考えましょう。

消防士は早めの資産形成でリスクに立ち向かおう

繰り返しになりますが、消防士は「つぶしがきかない」職業です。20代であればまだ転職は可能ですが、年齢が上がっていくとともに徐々に難易度は高まっていくでしょう。

将来のリスクに備え、不労所得を得られるように早めに動き出しておいて損はありません。